龍渓硯・亀甲彫の逸品は、長野県辰野町の2億年以上前の黒雲母粘板岩「龍渓石」を手彫で仕立てた和硯で、緻密で適度な硬さが生む滑らかな磨墨と冴えた発墨が最大の魅力である
黒雲母粘板岩の均質な鋒鋩により、墨がおりやすく粒子が細かく立ち、和墨でも濃淡が豊かに出るのが特長。
天然の青黒色と赤褐色の錆模様が重厚な景色を生み、実用と鑑賞性を兼備する工芸品として高く評価されている
起源は江戸後期の高遠藩にさかのぼり、地元の横川渓谷の石で作られたことから「龍渓」と名付けられた歴史を持つ
昭和62年に長野県の伝統的工芸品に指定され、現在も伝統技法の手彫り制作が守られている安心の品質である
天然形を活かした本体に縁起物の亀をあしらい、長寿・吉祥を象徴するデザイン
面は滑らかで適度な引っ掛かりがあり、短時間で濃墨が立つため日常の臨書から作品制作まで幅広く対応する実用性が強みである
重厚な塊からくる安定感でブレが少なく、磨墨音も静かで集中を妨げない快い作硯体験を提供する